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気質と脳画像研究

うつ病の仮面をかぶった双極性障害が結構多いことが問題になっています。「気質」は生まれつきの性格傾向であり、循環気質や発揚気質を持ったうつ症状のある方を、双極スペクトラムと診断し、治療を行っています。

当講座では、気質と脳画像の関連に着目して、秦野浩司先生(現・ヘルスケアAI・データサイエンス学講座 准教授)を中心に、MRIや18F-FDG-PETを用いた脳画像研究を行っています。秦野先生は、健康成人において、循環気質や発揚気質が高い人は、左内側前頭回の体積が大きいことを示しました(Hatano et al., J Affect Disord, 2014)。
さらに、秦野先生は、MRIの拡散テンソル画像を用いることで、気質と白質の微細構造の関連を精査しています。循環気質は、右前放線冠や右脳梁膝部と関連があり、発揚気質は全脳の多くの部位の白質と関連があることを明らかにしました(Hatano et al., Bipolar Disord, 2019)。
今後は、気質に着目して健常者と気分障害(躁うつ病やうつ病)に共通した、あるいは異なった脳機能・構造特性を明らかにしていく予定です。

  • 循環・発揚気質と脳体積の関連(Hatano et al., J Affect Disord, 2014)

  • 循環・発揚気質と白質の関連(Hatano et al., Bipolar Disord, 2019)